アンクにもひどい言われようの魔女ゴーテルですが、原作のグリム童話だと、ちょっとだけイメージがちがうような気もします。
くわしく調べてみました!
グリム童話『ラプンツェル』のゴーテル
ゴーテルは、庭で『ラプンツェル』という野菜を育てていました。家庭菜園が趣味のおばあさんといったところでしょうか。孤独だけど、幸せに暮らしていたんだと思います。
ある日、隣に住む男が、野菜を盗みに来ました!
その男がいうには、妊娠中の妻が野菜を食べたがっているといるんだとか。
ゴーテルはこう言います。
「お前の言うのが本当なら、ここにあるラプンツェルを、お前のほしいだけ、持たしてあげるよ。だが、それには、お前のおかみさんが産み落した小児を、わたしにくれる約束をしなくちゃいけない。小児は幸福になるよ。私が母親のように世話をしてやります。」
中島孤島訳『ラプンツェル』(青空文庫)
男がこれを受け入れたので、ゴーテルは約束通り赤ちゃんを引き取り、森の高い塔に連れて行きました。
ラプンツェルが、14歳か15歳くらいになったとき、王子がやってきます。
塔の中で逢引きを繰り返す王子とラプンツェル。ついにラプンツェルは妊娠します。
それを知ったゴーテルは怒ってラプンツェルの髪を切り、追い出してしまいます。
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ゴーテルにも同情の余地あり!?
私が調べた限りでは、本当は400歳で、若さと美しさを保つためラプンツェルを利用していたという話は原作にはないようです。そもそも、自分でラプンツェルの髪を切っちゃってますし。
野菜と引き換えに赤ちゃんを奪ったり、塔に閉じ込めたりしたのは、確かにひどい。でも、さきほど引用したゴーテルの発言が本当ならば、ゴーテルは「ラプンツェルを幸せにしたい、本当の母親のように愛情を注いで育てたい」と思っていたのかもしれません。
毒親であることは間違いありませんが、もしかしたら、ゴーテルは子供の愛し方を間違えてしまっただけのかわいそうな人だったのかもしれません。
※グリム童話を原書で読む能力がないので、ネットの情報だけで適当に書いています。詳しい方がいたら訂正をお願いします。