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【天使にラブ・ソングを…】カトリックのシスターがゴスペルを歌うのは変だって!?いや!これは人類をひとつにする映画なのだ!!

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『天使にラブ・ソングを…』といえば、日本にゴスペルブームを巻き起こした映画として有名ですよね。でも、カトリックのシスターたちがゴスペルを歌うのって、実はとてもおかしなことなんです。それでも、この映画が支持されるのは、人類がひとつになれるような希望がこの作品にあるからなんだと思います。簡単に紹介してみますね。

カトリックとプロテスタント

そもそも、キリスト教には大きく分けて二つの宗派があります。伝統的なカトリックと、改革派のプロテスタントです。二つの違いは色々あるんですが、とりあえず教会の様子が全然違います。

カトリックの教会は、十字架にかかったキリスト像や、聖母マリア像、カラフルで派手なステンドグラスなど、いろんな装飾があります。この映画に登場するのは、カトリックの教会ですね。

一方、プロテスタントの教会はものすごくシンプルで、ほとんど何にもないがらんとした空間です。壁にシンプルな十字架があるので、かろうじて教会だとわかります。プロテスタントは改革派なので「えーい、ゴテゴテした装飾はいらん!信仰さえあればそれでいいんじゃ!」ということになったんだと思います。

カトリックのシスターたちがゴスペルを歌う意味

ゴスペルの歴史は、アフリカの黒人たちが奴隷としてアメリカに連れてこられたことに始まります。自分たちの宗教を禁じられた彼らは、キリスト教のプロテスタントに出会って改宗します。そのうちに、みんなで黒人教会に集まって、アフリカ特有の音楽で神に賛美を捧げるようになりました。そこで生まれた音楽が、ゴスペルへと発展していったのです。

カトリックからみれば、プロテスタントは異端。そのプロテスタントの中でも異端な存在が黒人教会。その黒人教会で歌われていたのがゴスペルです。つまり、伝統的なカトリックからみると、ゴスペルなんて、ただの叫び声みたいに聞こえても仕方がない音楽です。それくらいカトリックとゴスペルの間には大きな溝があり、本来交わるはずのないものなのです。

それでもこの映画では、カトリックとゴスペルが見事に交わり、美しく融合した姿が描かれています。ハチャメチャな展開で大笑いできるのと同時に、人類がひとつになれるような夢もみせてくれる。だからこそ『天使にラブ・ソングを…』は、みんなに愛される映画になったのかもしれませんね。


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