3月29日 マリモの日
宮本百合子『伸子』
「東京では珍しいものです、毬藻」
— 青空文庫 (@aozora__bunko) March 28, 2021
玄関の板敷に立って、彼は帳場から出させた紙でそのビロードでこしらえたような丸い藻を包み伸子に渡した。
『伸子』宮本百合子#マリモの日 #青空文庫
3月29日 作業服の日
芥川龍之介『軍艦金剛航海記』
エレヴエタアで艦の底から天上して中甲板の自分のケビンへ歸つて、カアキイ色の作業服を脱いだら、漸くもとの人間になつたやうな心もちがした。
— 青空文庫 (@aozora__bunko) March 28, 2021
『軍艦金剛航海記』芥川龍之介#作業服の日 #青空文庫
3月30日 信長の野望の日
菊池寛『桶狭間合戦』
長柄の太刀脇差を三五縄でぐるぐる巻にし、茶筌にゆった髪は、乱れたままである上に袴もはかないと云う有様である。そして抹香を一攫みに攫んで投げ入れると一拝して帰って仕舞った。
— 青空文庫 (@aozora__bunko) March 30, 2021
『桶狭間合戦』菊池寛#信長の野望の日 #青空文庫
3月31日 オーケストラの日
宮本百合子『近頃の話題』
それに、このひとの指揮ぶりは特徴がつよくて、オーケストラに向って指揮棒が縦に縦にと働きかけて行く。繊細、強靭、且疳がつよくて、音に対する態度は貴族的であり命令的である。
— 青空文庫 (@aozora__bunko) March 31, 2021
『近頃の話題』宮本百合子#オーケストラの日 #青空文庫
宮城道雄『レコード夜話』
電気蓄音機は調節が出来てよいが、手捲の蓄音機でオーケストラなどを鳴らすと、辺りへひびきわたるので風呂敷をかけたり、蒲団をかぶせたりして音を弱くして聴くのである。
— 青空文庫 (@aozora__bunko) March 31, 2021
『レコード夜話』宮城道雄#オーケストラの日 #青空文庫
宮沢賢治『銀河鉄道の夜』
ジョバンニが見ている間その人はしきりに赤い旗をふっていましたが、にわかに赤旗をおろしてうしろにかくすようにし、青い旗を高く高くあげてまるでオーケストラの指揮者のようにはげしく振りました。
— 青空文庫 (@aozora__bunko) March 31, 2021
『銀河鉄道の夜』宮沢賢治#オーケストラの日 #青空文庫
3月31日 山菜の日
石川欣一『可愛い山』
「たらの芽」から思いついて、いろいろと山菜のことを書いている内に、山に行きたくなって来た。まったく梅雨前の山はいい。残雪は多く、きれいで、日は永く、鳥は盛んに鳴き、おまけに何やかや、食える植物がふんだんにある。
— 青空文庫 (@aozora__bunko) March 31, 2021
『可愛い山』石川欣一#山菜の日 #青空文庫