3月15日 靴の記念日
櫻間中庸『ごわごわごむ靴』
黒いごわごわは何でせう。
— 青空文庫 (@aozora__bunko) March 15, 2021
ああ。正雄君のごむ靴です。さうです。今さつき正雄君が栗の木に昇るとき、靴をはいてゐてはうまく昇れないので栗の木の根もとでぬいだとき、ころころ轉んで、ぽつちやりと水の中に落ちたのです。
『ごわごわごむ靴』櫻間中庸#靴の記念日 #青空文庫
宮沢賢治『注文の多い料理店』
そこで二人は、きれいに髪をけずって、靴の泥を落しました。
— 青空文庫 (@aozora__bunko) March 15, 2021
そしたら、どうです。ブラシを板の上に置くや否や、そいつがぼうっとかすんで無くなって、風がどうっと室の中に入ってきました。
『注文の多い料理店』宮沢賢治#靴の記念日 #青空文庫
3月15日 サイコの日
寺田寅彦『話の種』
罪人を発見する器械
— 青空文庫 (@aozora__bunko) March 15, 2021
近頃サイコメーターすなわち測心器とでも名づくべき器械を作った人がある。その人の説によると、人体に適度な弱い電流を通し、これを鋭敏な電流計に接続しておくと、その人の心の状態によって電流の強さが変り電流計に感じる。
『話の種』寺田寅彦#サイコの日 #青空文庫
3月16日 ミドルの日
小栗虫太郎『人外魔境 遊魂境』
そこからは、かつての北極踏破者ピアリーが名付けたという、中部浮氷群(ミドル・アイス)の広漠たる塊氷のなか。
— 青空文庫 (@aozora__bunko) March 16, 2021
『人外魔境 遊魂境』小栗虫太郎#ミドルの日 #青空文庫
片岡義男『波乗りの島』
ハワイ。ポルトガル。オランダ。中国。日本。スペイン。そのほか少なくとも七とおりの血がジェニファーには混じっている。
— 青空文庫 (@aozora__bunko) March 16, 2021
だから彼女のファースト・ネームからラスト・ネームまでのあいだに、五種類のミドル・ネームがある。
『波乗りの島』片岡義男#ミドルの日 #青空文庫
3月17日 聖パトリックの祝日
シャーロット・ブロンテ『ジエィン・エア』(解説・十一谷義三郎)
このころ、弟パトリック・ブランヱル、家にあつて酒亂。著者はそれを憂へて、往々食事をとらぬことあり、父は、その爲に狂氣に瀕し、ピストルを亂射したり、椅子の背を鋸で挽いたりなどす。
— 青空文庫 (@aozora__bunko) March 16, 2021
『ジエィン・エア 解説』ブロンテイ 十一谷義三郎訳#聖パトリックの祝日 #青空文庫
コナン・ドイル『暗号舞踏人の謎』(三上於莵吉訳)
パトリック老人と云ったものです。この暗号を案出したのも彼ですが、これはもうあなたがこれを解く鍵を持っていなかったら、ただ小供のいたずら書としか思われないものですからね。
— 青空文庫 (@aozora__bunko) March 16, 2021
『暗号舞踏人の謎』コナン・ドイル 三上於莵吉訳#聖パトリックの祝日 #青空文庫